早稲田大学 理工学術院 電気・情報生命工学科(同専攻)
   和佐研究グループ(システム制御研究)

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Ongoing Research Topics (English)

私たちは人とつながる制御システム(Cyber-Physical Human Systems (CPHS))の構築を目指しています.特に全体が望む適正なシステム化のために,人やセンサから得られる情報と知見を上手にシェアしながらどのように動的システムの分権的実装や人々への認知・行動変容につなげるかをシステム制御の立場から学術探求しています.
主な研究は分散協調制御手法・動的統合メカニズムの原理解明と実社会システムへの応用展開です. 下記に示す具体的に取り組んでいる課題は,電気・情報・生命各領域および融合領域であり,機械学習や経済学,生命科学の知見を織り交ぜながら,数理モデルで裏付けられたCPHSの基礎理論構築とアルゴリズム開発を日々研究しています.

(&Social) 社会システムの中での意思決定の適正化

サービスの受容者である人類の多様性や自動化された機械も含む異種の意思決定者が混在する社会システムの中で,時々の環境変化に適した意思決定・制御方策の在り方を検討しています.特にカーボンニュートラル実現に向けて,システム制御・数理最適化の観点から下記テーマの解決を試みています.

まちづくりのためのメカニズム

 

地球環境保全に向けた合意形成

 

データ駆動型社会システム設計

先進的まちづくりのための制御/メカニズム

社会実装を実現するには,エージェント間の利害関係(ゲーム的状況)だけでなく主従関係(契約)やエージェントの判断のクセや行動変容条件,社会システムの動特性を明確に考慮した誘因メカニズムを設計する必要があります. 私たちは意思決定に関わる,実体や金銭だけでなく情報や価値・リスクを含めた「シェアリング」をキーワードに検討しています. 具体的には,電気エネルギーや交通システムの複合的社会インフラシステムに対して, 最適制御理論・ゲーム理論/チーム理論・メカニズムデザイン・行動経済学・環境経済学の知見に利権の構造を数理的に組合せ,インセンティブとその対価となるサービスおよび責務を含めた全エージェントの妥結点とシステム全体の限界を探求しています.

解説記事: VPP計画・運用への活用ネットワークロボティクスへの活用
関連論文: 電力・交通連成CPHSの実時間最適化(T-SICE23, IFAC-WC23, IFAC-CPHS22), CEMS持続的最適運用(JACC23, MSCS24), 耐戦略的行動のための設計論(ECC19, IFAC-WC20), 動的電力交通調整(JACC21), 集団行動への誘導(T-SICE22, CPHS20), 電力市場内入札行動学習(JACC21, MSCS21, JACC20), 交通流適正化(ASCC17, ECC19, CDC20, MSCS19), ブロックチェーンを介したメカニズムデザイン実装(ISCS24)

地球環境保全に向けた合意形成

脱炭素化に向けた環境合意は街,国内,国際間など様々な規模で求められています. 動学的環境協定分析,電力分野における具体的な施策に関してシステム制御工学と環境経済学の立場から分析しています.

関連論文: 気候変動政策 (MSCS24), 国際環境協定 (ERE18), 異種予測区間ゲームの均衡分析(ASJC23, ASCC22), 感染抑制政策(MSCS21)

データ駆動型社会システム制御系設計

社会システムの分析と運用はモデルベース制御だけでなく,データ(情報)の利活用は不可欠です. AI集約型CPS (CyPhAI) 設計に対する信頼性や安全性の保証の研究を通して,データ駆動型社会システムの可能性を検討しています.

関連論文: 制御性能改善のための実時間通信構造推定(IFAC-WC23, MSCS23), 配水網の制御系設計(JACC23)

(&Bio) 数理に基づく生体医療:最適治療戦略と臨床応用

生体医療における数理モデルによる治療プロトコルの確立を目指し,バイタルサインなど計測可能な情報を集約しながら,糖尿病と敗血症性ショックの治療戦略のための身体内・病理の数理モデル構築に取り組んでいる.
関連論文: Septic shock (TBMM19), Diabetes (IFAC-WC23, JTB18, JACC22a, JACC22b), Depression (JACC17)

(&Embodied) 人間の身体性を介した自律移動体群との協和制御

ネットワーク化された自律移動体(ロボット,モバイルセンサ)群を協調制御する際,人間と協和しながら全体目的を決定することが期待される. 人間の五感による認識や学習をどのように利活用すればよいかを探求している.
関連論文: 運動錯覚を用いたHRI協調システムの制御性能改善 (JACC23)

Completed Projects

(2016-2020) 分散エネルギー管理システム構築のための統合メカニズム設計論

内田健康先生の下でJST CREST EMS領域研究課題として実施した.研究チームの概要はYoutube,研究成果は国際書籍 "Economically Enabled Energy Management"に編纂した.私たちの研究内容はシステム制御分野のVision Book "Smart Grid Control"に掲載されている.小売市場のリアルタイム実装に向けた国際共同研究はIEEE Trans. Smart Gridに採録された.
Related Publications: Springer18, Springer20, TCST, RIEEM DP, TSG20, ASCC19, IET-SG19, ASCC17, T-SICE19, CCTA17

   

PV for Econ EMS  

   

(2011-2016) Distributed Learning in Network Games

藤田政之先生の下で,ネットワーク化された自律移動ロボット・センサ群の協調最適化行動を非協力ゲーム的状況として捉え,ゲーム理論の枠組みで構築された分散協調学習則を構築した. 全体最適化を理論的に保証し,事前情報を必要としない学習則の利点を活かし,シミュレーションだけでなく実機実験を通して有効性を示した.
Related Publications: TAC16, JCMSI14, JCMSI13, T-ISCIE12

 

Landslide Monitoring  

 

Cloud Monitoring  

Power Distribution  

 

Sensor Coverage (1)  

 

Sensor Coverage (2)  

 

Color Synchro  


 
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